11日より世田谷区等々力のギャラリーspace-Sで版画作家堀尾佐和氏の展覧会が始まりました。本日は堀尾佐和氏とギャラリーオーナーの安藤寿美子の対談インタビューで今回の展覧会の見所をお話しいたします。
安藤:前回の堀尾さんの個展から一年半経ちますが、前回もこのような形で対談をもたせていただきました、その時の様子もブログに載せましたが、堀尾さんと私との出会いについてはその時に触れましたので、今回の対談ではテーマというか、気にかけていたことがございましたので、まずはそれを伺いたいと思います。
それは、私の夫が、今回の展示を見て、「佐和さんの自由奔放で囚われない作風が、上手くなり過ぎて、綺麗過ぎる作品になった」、申したことです、勿論主人も堀尾さんとは既知の間柄であり、堀尾さんが版画を始めた当初の自由な作風を見ていたものですから、そう言う感想を持ったのだろうと推察しますが。それについて堀尾さんは何か思うことがお有りでしょうか?
堀尾:確かにご主人のおっしゃる通り、馴れてきたことは否めないから、しょうがない部分はあります。ただ日頃から人と違うことをやりたい、違う表現をして、みたいと思っています、久しぶり個展ということで、そんな気持ちで制作して来た作品を集めて展示しています。ある面馴れはありますが、違う一面も感じて、頂けるのではと思います。
安藤:堀尾さんの個展は本当は毎年やりたかったのですが、西会津のイベントなども、重なり、東京、西会津二つの場所の掛け持ちなど体力的なこともあって、一年半ぶりの開催となりました。その間、堀尾さんも様々なテーマ、版画技法に積極的に取りくんで来たことから、今回展示したものからは、かなり新しさを感じられる作品群だと思っています。
佐和さんはいろんなこと、例えば陶芸などもやられていて、そこではかなり破天荒なこともやられていますが、今回は堀尾さんの版画の世界が私が好きなのでそれに敢えて絞っていただき、他のジャンルの作品の展示はご遠慮いただきました。
堀尾;そんな訳で、版画だけの個展となりましたが、技法的に違うものを出したいので、人と違う新しい表現、例えばアクアチントを盛り上げることなどに力を入れていて、今回の展示の中に何点か出しています。
司会:堀尾さんの今回の作品を見て使っている色が前回に比べて何十倍にもなっていると感じたのですが?
堀尾:確かに色が増えて来ていると、人に言われることが多いです。こんな色とこんな色は合わせないもの、と言われることもありますが、実際に刷ってみると、とても良いと言われます。
色を使うことはとても楽しいです。
安藤:最近、顔のある作品が増えて来たように感じられます。その辺りは意図があるのですか?
堀尾:生きものを入れてみたいと思うようになった。そんな気がしてます。兎を入れてみたり、そんなことも新しい試みで、作品の巾は広くなっていると思います。
司会:ファンタジーが感じられますね。
堀尾:今回の個展のタイトルの裏庭にはちょっと不思議なもの、秘密とか影とか、なぞめいたものを表したくて、つけました。
安藤:佐和さんの作品リストを作っていて、いつも思うのは良くこれだけタイトルを考えつくなということです。
堀尾:新しい技法の作品も含めて是非とも楽しんでご覧いただけたらと思います。
司会:それではどうもありがとうございました。
以上