50年前、ドイツのミュンヘン郊外にある館で、オーナー主催の新進画家の個展に招待されました。そこでは、リビングやロビーだけでなく、廊下や階段からキッチンにいたるまで絵がいっぱいに飾られ、大勢の方がワイングラスを片手にそれらを観賞し、そして作家と語りあったりしていたのです。
若い芸術家をたくさんの人に紹介しバックアップする- 欧米でのこの様な風潮をとても羨ましく思ったものです。
3年間のヨーロッパ滞在は、私にとってなにもかもがすばらしく、また豊かな体験となりました。
“ライフワークとして、何か、そんな体験を生かせることをしたい!”と思っていましたが、友人たちと話し合い、試行錯誤の過程でいろいろ形態を変えながらも、ここに、ギャラリー“Space S”として、ついに夢が実現し、オープンの運びとなりました。
ジャンルにこだわらず、新進作家、海外の作家、コレクションなどを轡介するとともに作家の方々と皆様との出会いや交流の場、さらにレクチャーの場としても活用し、同時に皆様方のアイディアやご協力をいただきながら、より新しいクリエイティブな空間として発展させていきたいと願っております。

space S 安藤寿美子